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  • 2017.01.13

(記事紹介)うつ病で休職した従業員の再発リスク

2017年1月8日 毎日新聞「<うつ病休暇>半数が再取得「企業は配慮を」 厚労省研究班」

うつ病になって病気休暇を取った大企業の社員の約半数が、復帰後に再発し、病気休暇を再取得していたとする調査結果を、厚生労働省の研究班(代表者、横山和仁・順天堂大教授)がまとめた。特に復帰後2年間は、再取得する人が多かった。仕事の負担が大きな職場ほど再取得のリスクが高いことも裏付けられた。専門家は社員の職場復帰について、企業が慎重に取り組むよう訴えている。
調査は、社員1000人以上の大企業など35社を対象に、2002年4月からの6年間にうつ病と診断され、病気休暇を取得した後に復帰した社員540人の経過を調べた。その結果、うつ病を再発して病気休暇を再取得した人の割合は、復帰から1年で全体の28.3%、2年で37.7%と高く、5年以内で47.1%に達していた。職場環境について、仕事への心理的な負担を調べる検査「ストレスチェック」を職場メンバーに実施した結果、負担が大きいと感じる人の多い職場ではそうでない職場に比べ、病気休暇の再取得のリスクが約1.5倍高かった。
休暇期間では、1回目の平均107日に対し、2回目は同157日と1.47倍に長くなっていた。1回目の休暇期間が長い場合や、入社年齢が高くなるほど、2回目の休暇が長くなる傾向もみられた。


10年ほど前までうつ病は「心の風邪」と言われ、一度良くなれば再発することは稀であると考えられていました。しかし実際には繰り返し抑うつ症状に悩む患者さんは少なくありません。特に労働者の場合は発症の一因が職場環境にあることが多いため、復職自体が大きなストレスになり得ます。

以前から復帰後半年程度は再発リスクが高いと言われていましたが、本研究で2年に渡りリスク上昇が続くことが明らかになりました。また(当然の結論ではありますが)職場環境のストレス度と再発リスクとの間に有意な相関が認められました。

最近では復職後1−2ヶ月はしっかりと就業制限を行う会社が増えてきましたが、その間を過ぎると上司や同僚は「もう大丈夫だろう」と考えがちであり、患者さん本人の自覚的な回復スピードとズレが生じているケースが珍しくありません。うつ病は「心の風邪」というより「心の疲労骨折」であり、完治までには長い時間がかかります。他の労働者の負担も考慮すると数年にわたり就業上の配慮を続けるのは難しいかもしれませんが、メンタルヘルス不調の再発は本人にとっても会社にとっても大きな損害ですので、研究班が述べる通り慎重な取り組みに努めてください。

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