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  • 2014.08.05

ストレスと裁量の関係 〜カラセックのモデル〜

職場のストレス負荷をできる限り低くすることは、産業衛生の主目的の一つです。では職場におけるストレスの大きさはどのように決まるのでしょうか?
すぐに思いつくストレス因には、長時間残業や人間関係のトラブル、異動、単身赴任などがありそうです。もちろんこれらは対処すべき問題ですが、産業衛生管理を行う上で気がつきにくいストレス因として「仕事の裁量度」も大きなファクターであることが知られています。

例えば、以下の二人の営業マンのうち、ストレスが高くなりやすいのはどちらでしょうか?

Aさん:月100万円の売り上げ目標が課されていて、毎日会社から指定された営業先に指定された時間に行き、決められた内容の営業活動を行うよう命じられている。休憩時間も含め、勤怠について常に上司への報告が義務づけられている。

Bさん:Aさん同様に月100万円の売り上げ目標があるが、顧客への訪問時間や営業活動については本人のやり方に任されている。結果は求められるが、勤務時間はある程度自由に決めることができる。

このように比較すると、多くの方は「Aさんの方がストレスがたまりそうだ」と感じると思います。実際、就労時間や勤務内容がほぼ同一であっても、「自分で決められること(裁量)」が大きい方がストレスを感じにくいことが知られています。社長や取締役といった、役職が高い人が忙しくてもメンタル不調になりにくいのも同じ理由です。

これをうまくモデル化したのがスウェーデンの心理学社のカラセックの提唱した「仕事要求度ーコントロールモデル」です。このモデルは仕事の要求度(いわゆる負担の大きさ)と裁量度によって職場の状態を4つに分け、それぞれにおいてストレス度や仕事への取り組み方を比較したものです。

1.要求度と裁量度の両方が低い場合:仕事のハードルは高くありませんが、裁量もないため、仕事に対し受動的に取り組むようになります。成長の機会に乏しく、無気力な社員になってしまうことがあります。

2.要求度が高く裁量度が低い場合:仕事の負担が大きいにもかかわらず、自分でコントロールできる部分が少ない状態です。社員が不満を感じることが多く、最もストレスを溜めやすい状態です。

3.要求度が低く裁量度が高い場合:仕事の負担が小さい一方、裁量は大きい状態です。最もストレスを溜めにくいタイプですが、会社全体のことを考えれば徐々に要求度を高めていくべきです。新入社員や異動直後など、仕事に慣れていないときに適した状態です。

4.要求度と裁量度の両方が高い場合:仕事の負担は大きいものの、裁量が大きく自分のペースで仕事ができます。負担の割にはストレスを溜めにくく、積極的に仕事に取り組むことが可能です。


いかがでしょうか?「職場のストレスを減らす=仕事を減らす」と考えられがちですが、社員に裁量を与えることでストレス耐性を高めることも立派なメンタルヘルス対策です。メンタル不調を防ぐために、仕事の量だけではなく働き方(仕事の与え方)も見直してみましょう!

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