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  • 2018.03.16

セクハラと親会社の責任について

子会社の女性従業員が受けたセクハラ被害について親会社の責任が争われた裁判で、最高裁判所が「相談時の状況によっては(親会社も)責任を負う」との判断を示しました(2018年2月15日)。具体的には「相談時の具体的状況や窓口の体制によっては適切に対応すべき信義則上の義務を負う」とした上で、本件については被害から申し出まで8ヶ月以上経過していたことを理由に責任を認めませんでした。

本来ハラスメント問題は加害者と被害者である従業員間の不法行為ですが、安全配慮義務の観点から会社はハラスメントを防止する義務があり、十分な対応をしていないと会社にも法的責任(損害賠償責任)が生じる可能性があります。安全配慮義務の程度は従業員と会社の関係性によって異なるため、直接業務の管理を行なっていない親会社がどの程度の責任を負うか不明瞭な部分がありました。本判決は結論としては親会社の責任を認めませんでしたが、状況次第では親会社もセクハラの責任を負う可能性があることを示した点に先例的意義があると言えます。

実際には子会社の従業員まで把握していない企業がほとんどかと思いますし、単に資本関係があるに過ぎない親会社に安全配慮義務を課すのは行き過ぎだと感じる労務担当者もいるかと思います。しかし、親会社が子会社から利益を受けているのであれば、一定のリスクやコストも負わなくてはならない、というのが本判決の考え方です。また仮に法的責任が否定されても、子会社でハラスメントが横行すれば親会社も道義的責任は免れません。長時間労働対策やハラスメント対策を実施するにあたっては、子会社の労働安全衛生体制に問題ないかも合わせて確認するようにしてください。

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