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  • 2014.08.13

採用面接と学歴 〜シグナリング理論について〜

企業のメンタルヘルス対策を考える上で、新人の採用は「ミスマッチを事前に予防する」という意味で非常に重要なファクターです。しかし、会社に合った人材を見つけるのはそれほど簡単ではありません。例えば、学歴が高い人を採用したが、予想していたパフォーマンスは上がらなかった、ということはよく経験すると思います。そのため、最近はあえて履歴書に学歴を記載させない会社も増えているようです。
では、採用にあたり学歴には何の意味もないのでしょうか?今回は採用担当者に役立つ知識として、学歴を例に挙げてシグナリング理論をご紹介したいと思います。

シグナリングとは、「市場において、情報の非対称性を伴った場合、私的情報を保有している者が、情報を持たない側に情報を開示するような行動をとるというミクロ経済学における概念」と定義されます。言い換えると、「相手に見えにくい自分の特徴をアピールするために行う行動がシグナリング(シグナル)である」ということです。これを就職活動場面における学歴に当てはめて考えてみましょう。

就職希望者にとって「自分が会社にとって役立つ人材である」ことを証明するのは大変難しいことです。一方で、学歴の有無を証明するのは比較的簡単にできます。よって、「私は学歴が高いので仕事もできる人間です」と主張することは、自分の能力を伝えるためのコストを大きく下げてくれます。
会社の採用担当者にとっても、学歴を確認することが「学歴が高い人はそれだけ能力が高い人であり、会社に取って役立つ可能性が高いだろう」という合理的な判断をする根拠になり、就職希望者の能力を理解するためにかかるコストを下げることができます。
このように、本質的な情報(能力の高さ)に関連するシグナル(学歴)を判断基準にすることで、情報収集コストを下げられることがシグナリングを活用する大きなメリットといえます。

ただ、シグナリングが成立するためには、本質的な情報とシグナルの間にある程度の相関関係があることが前提になります。近年仕事に要求される能力が多様化しつつあり学歴との関連が低下していることも、学歴を重視しない会社が増えてきた背景にあるのかもしれません。

今回は学歴を例に挙げてシグナリングの説明をしましたが、学歴以外にもいろいろな情報がシグナルになり得ます。例えば「しっかりとした身なりで待ち合わせの5分前には集合する」という行動は「私はあなたに敬意を払っており、時間を守れるしっかりした人間です」というメッセージ性を持っています。また「大学で4年間ラグビー部に所属していた」という行動は「私は体力があり心身ともに健康な人間です」というアピールにつながります。

短時間の採用面接で就職希望者の内面を全て理解するのは不可能ですが、シグナリングの基本について理解して活用することで、限られたコストで得られる情報を最大化することができます。採用担当者の方々は、就職希望者が出しているシグナルを適切に判断することで採用ミスマッチを防ぐよう工夫してみて下さい!

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