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東京銀座の産業医事務所 セントラルメディカルサポート

Column記事

2014.09.05

不眠症について

5人に1人は睡眠の問題を抱えているという報告がありますが、確かに睡眠障害は産業医面接においても最も多い自覚症状の一つです。病気とはいえない程度の不眠がほとんどですが、中にはうつ病の初期症状だったり、睡眠時無呼吸症候群などの身体疾患が隠れている場合があります。

不眠には細かく分類するといくつかのタイプがあり、主なものとしては「寝つけない(入眠困難)」「夜中によく目が覚める(中途覚醒)」「熟睡できない(熟眠困難)」「早朝に目が覚める(早朝覚醒)」といった症状があります。

不眠が続くと十分に疲労が取れず、仕事のミスを繰り返したり不安やイライラが強くなります。また糖尿病や高血圧などの生活習慣病や肥満の原因にもなるので、適切な睡眠をとることは心身の健康を守るために必要です。特に中途覚醒や早朝覚醒はメンタル不調の初期症状の可能性があるので、より注意が必要です。

不眠の治療にあたっては、まず他の原因がないか確認することが必要です。その上で生活習慣の見直し(後述)をしても十分な改善がないときは、睡眠薬を使うことが有用な場合があります。最近の睡眠薬は、アルコールと同時節酒しなければ比較的安全性が高く即効性も期待できますが、長期内服により認知症のリスクが増えるというデータが出ています。使用する場合は専門の医師とよく相談し、期間もせいぜい数か月程度と考えましょう。なお、市販薬は効果が低い上に乱用のリスクがあるためお勧めできません。

不眠を改善するために一番大切なのは、睡眠の質を良くするための生活習慣を身につけることです。厚生労働省の作成した「睡眠障害対処12の指針」を確認し、普段の生活を見直しましょう!

1. 睡眠時間は人それぞれ,日中の眠気で困らなければ十分
2. 刺激物を避ける、寝る前には自分なりのリラックス法
3. 眠くなってから床に就く,就寝時刻にこだわり過ぎない
4. 同じ時刻に毎日起床
5. 光の利用でよい睡眠
6. 規則正しい3度の食事,規則的な運動習慣
7. 昼寝をするなら,15時より前に20~30分間
8. 眠りが浅いときは,むしろ積極的に遅寝・早起きに
9. 睡眠中の激しいいびき・呼吸停止や足のびくつき・ムズムズ感には要注意
10. 十分眠っても日中の眠気が強いときには専門医に
11. 睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
12. 睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全


最後に:睡眠についてのQ&A

Q:レム睡眠とは?
レムとは、Rapid Eye Movementの略称です。眠りには「レム睡眠」と呼ばれる浅い睡眠と、「ノンレム睡眠」という深い睡眠があります。一般には、レム睡眠は身体を休ませる睡眠で記憶の定着に、ノンレム睡眠は脳を休ませる睡眠で疲労回復に役立つとされています。

Q:最適な睡眠時間は?
人によって必要な睡眠時間は異なります。1.5時間周期に合わせた睡眠時間が望ましいと言われることがありますが、はっきりしたエビデンスはありません。適切な睡眠が取れているかどうかは、「日中に疲労感や眠気を感じるか」を一つの目安にして下さい。なお、一般的には加齢によって睡眠時間が短く・浅くなる傾向があります。

Q:不眠の原因になる病気は?
不眠症の原因は不適切な生活習慣やストレスの場合が多いですが、睡眠時無呼吸症候群やナルコレプシー、レストレスレッグ症候群など、多くの病気が不眠の原因になります。「夜中に呼吸が止まる」「日中に異常な眠気がある」「足がむずむずして眠れない」など、これらの病気を疑う症状があった場合は専門家に相談してみましょう。

Q:寝酒は効果あるの?
アルコールの適量摂取は心身を安定させ、寝つきを良くする一定の効果があります。しかしアルコール摂取により睡眠深度が浅くなることが知られており、結局十分な睡眠にはつながりません。

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