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  • 2014.10.14

職場の感染症対策

みなさんの職場に風邪などで休んでいる人はいませんか?企業の労務管理において、社員が急に病気で休んでしまう事態はできるだけ避けたいところです。一方で、感染症にかかった人が無理に出勤した場合、周りの人に感染を広げ、更に大きな問題に至ってしまう可能性があります。

以下では産業医として相談を受けることの多い感染症について、会社として注意すべきポイントを挙げたいと思います。


1.インフルエンザ

インフルエンザは毎年1000万人単位での流行を繰り返しており、会社の労務管理の上で最も厄介な病気の一つです。38℃を超える高熱や筋肉痛、悪寒などが主な症状で、冬場の流行期にこういった症状があれば最初に疑うべき疾患です。
法律上は就業禁止措置は必要ではありませんが、咳やくしゃみなどの飛沫により周囲に感染を広げてしまう可能性があります。学校保健法では解熱後2日間は通学禁止とされており、会社でもそれを目安に休んでもらうことが望ましいです。


2.結核

日本は結核患者が非常に多く、未だに職場で発生することも珍しくありません。主な症状は数ヶ月感続く微熱、咳、体重減少などですが、無症状で健診のレントゲンで発見されることもあります。発病者は結核予防法に基づき、感染性が否定されるまで就業が制限されます。
また職場内で結核患者が発生した場合、感染が広がっていないか確かめるために接触者健診が行われます。これは保健所主導で行われるので、発症者が出た場合は早めに地域の保健所に連絡して指示を仰いで下さい。


3.食中毒(ノロウィルスなど)

食中毒も各種微生物によって引き起こされる疾患です。夏場の細菌性食中毒も問題ですが、冬場の嘔吐下痢症の主因であるノロウィルスは特に感染力が高く、保菌者の吐物などを片付けるだけでも感染が広がることがあります。
万一職場で嘔吐をした人がいたら、絶対に素手で触らず、次亜塩素酸などを用いて十分な消毒を行って下さい(厚生労働省から指針が出ています)。
なお、O157など一部の病原菌については、完治するまで飲食店などでの就業制限措置が義務づけられています。


4.デング熱

今年数十年ぶりに日本で集団発生し、今後も夏場に流行を繰り返す可能性があります。デング熱は蚊が媒介するウィルス性疾患でインフルエンザ様の症状をきたします。重症化することは稀ですが、何度もかかると重症化しやすくなるといわれています。
人から人への感染はしないため、一般的には職場内感染を引き起こすことはありません。ただし工場など蚊が生息する可能性のある事業場では、発症者の就業制限に加えて職場内の消毒といった対応が必要になる可能性があります。


5.麻疹、風疹

一部の世代で十分なワクチン接種がなされなかったことから、麻疹や風疹などにかかる従業員が出る場合があります。これらの疾患は免疫のない人に対しては極めて感染力が高い上、妊婦が風疹にかかると胎児の先天奇形の原因になります。発症者には完治するまで就業制限をかけるようにしましょう。


6.ウィルス性肝炎

慢性ウィルス性肝炎(主にB型、C型肝炎)は有病率の高い疾患ですが、体液を介する感染しかしないため、医療関係など一部の業種を除いて職場の衛生管理上は大きな問題になりません。ただし放置すると肝硬変や肝臓癌の原因になるため、発症者には医療機関への受診を勧めましょう。

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