来年12月から施行される、ストレスチェック義務化に関する有識者会議が今月も行われました。詳細はまだ明らかになっていませんが、制度の大枠は決定し、来年3月までに厚生労働省から指針が出ることになっています。
直前になって慌てないためには、早めに社内のメンタルヘルス対策の体制を見直しておくことが大切です。以下に挙げるチェックポイントに注意して、スムーズな導入につなげましょう!
1.ストレスチェックが始まることを周知する
ストレスチェック制度は「従業員のストレスに対する気付きを促し、適切な対処をするきっかけにしてもらう」ことが本来の制度主旨です。しかし、この点についての理解が不十分だと、多額の出費をしてストレスチェックを行っても十分な効果が期待できません。少なくても以下の点について、事前に十分な周知を行いましょう。
・ストレスチェックはセルフケア向上のために行われるものであること
・ストレスチェックの結果は、人事をはじめとする会社側に伝わらないこと
・希望があれば産業医面接を受けることができること
・ストレスチェックの結果や面接を受けたことを理由に不利益を被ることはないこと
2.ストレスチェックの流れを理解し、問題点を洗い出しておく
ストレスチェックの大まかな流れは以下のようになっています。
・従業員がストレスチェック(マークシート式)を記載する。
・産業保健スタッフやストレスチェック代行会社が結果を確認し、従業員にフィードバックする。
・従業員からの申出があれば、医師が面接を行い健康状態を確認する。
・会社は面接結果に従って必要な配慮を行う。
この流れのうち、多くの会社で問題となるのは「誰がストレスチェックを行うか」と「どのように医師の面接を行うか」という点でしょう。
本人の同意がない限り人事はストレスチェックの結果を確認できないので、現実的にはストレスチェックの施行および結果確認は外部機関に任せるしかありません。健診施設やEAP会社がいろいろなサービスを提供しているので、会社に合ったサービスを探してみましょう。
医師の面接については、原則として会社の産業医が行うことになります。ただし、産業医にも得手不得手があり、専門性によっては十分な対応が困難なケースも予想されます。今後厚生労働省が研修を行うことになっていますが、事前に産業医とよく話し合っておきましょう。
3.長時間労働対策やハラスメント対策なども並行して進めていく
ストレスチェックが義務化されることで、社内のストレス要因があぶり出されてくる可能性があります。特に長時間労働やハラスメントの問題は労災認定にもつながり得ることもあり、ストレスチェックを始める前にこれらの問題が生じない体制を作る必要があります。「残業過多な従業員はいないか」「パワハラ、セクハラをしている管理職はいないか」「相談窓口を設置しているか」といった点について、これを機会に再度確認するようにして下さい。
Column記事
2014.12.17
ストレスチェック義務化を見据えたメンタルヘルス対策
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