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東京銀座の産業医事務所 セントラルメディカルサポート

Column記事

2015.06.22

熱中症に気をつけましょう!

ヒートアイランド現象や地球温暖化の影響などで、近年夏場の気温がどんどん高くなっています。たとえば東京では気温が30℃を超える時間数は1980年代に比べて1.7倍に増加しています。それに伴い熱中症のリスクは年々高まっており、特に建築業や営業職では就業状況の確認・環境改善が必要です。熱中症について正しい知識を身につけて従業員の健康を守りましょう!

1.熱中症とは
熱中症は高温環境下で体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体内の体温調節機能が破綻するなどして生じる障害の総称です。人間の体は、皮膚血流や発汗により外気に熱を放出して体温を冷やしていますが、外気温の上昇や脱水に伴う発汗量低下などにより熱の産生と放散のバランスが崩れてしまうと体温が著しく上昇します。このような状態が熱中症です。

2.熱中症の危険性
熱中症により救急搬送された方は、気温が上昇してきた2010年以降に大きく増加し、現在は年間5万人前後に上っています。また熱中症による死亡者数は1993年以前には年平均67人でしたが、1994年以降は年平均500人前後に急増しています。8割は65歳以上の高齢者ですが、30〜59歳の発症原因トップは労働作業です。1994年以降は死亡事故労災件数が年20件前後で推移しており、死亡時刻は午後2時〜4時までが半数を占めています。

3.熱中症の症状
熱中症の症状はⅠ度〜Ⅲ度に分類されます。Ⅰ度(悪心、ふらつき、過度な発汗、筋肉痛等が主症状)は比較的軽い状態で、涼しい場所で安静にして十分な水分・塩分を摂取することで回復が期待できます。Ⅱ度以上(意識障害、高体温等)の熱中症では病院への搬送を検討する必要があります。

4.熱中症への対応
熱中症対応のポイントは、①軽症であれば涼しいところで体を冷やし、十分に水分と塩分を摂取させる ②意識障害があったり十分な水分摂取ができない場合は急いで医療機関に搬送することです。手遅れにならないよう、迷ったら医療機関に搬送するぐらいのつもりで対応してください。

5.職場における熱中症予防
職場での熱中症の特徴として、一般環境より高温多湿な場所での業務があり得ること、労働者は体調に合わせた休憩を取りにくいこと、身体活動の持続時間がスポーツなどに比べてながいこと などが挙げられます。労災のデータで見ると、熱中症の死亡者は高齢者とは限らず、全年齢に分布しています。また高温作業開始から1-2日以内に亡くなる方が多いことにも注意が必要です。これらを前提に、以下のような点に注意して熱中症予防対策を進めて下さい.

・暑さ指数(WBGT)が28℃を超えると熱中症のリスクが大きく高まります。こまめにWBGTを測定してリスク管理を行いましょう。

・作業場所の冷房などによるWBGTの低減、休憩場所の整備などを図りましょう。

・休憩時間を確保し、高温高湿の作業上では身体強度の高い作業を避けましょう。

・計画的に熱順化期間(熱に慣れ、適応するための期間)を設けましょう。

・自覚症状の有無にかかわらず、水分、塩分を作業前後や作業中に定期的に摂取することを徹底しましょう。

・透湿性および通気性の良い服装で作業しましょう。

・糖尿病、高血圧症心疾患、腎不全などは熱中症のリスクになります。労働者に対して疾患教育を行い、体調不良時には申し出るよう指導しましょう。

・睡眠不足や体調不良、前日の飲酒、朝食未摂取などが熱中症のリスク因子として知られています。日常の健康管理を指導しましょう。

・作業開始前や作業中の巡視により労働者の健康状態の確認を行いましょう。

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