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  • 2016.06.27

平成27年度「過労死等の労災補償状況」

厚生労働省は6月24日、平成27年度の「過労死等(※)の労災補償状況」を取りまとめて公表しました。
(※)「過労死等」とは、過労死等防止対策推進法第2条において、「業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害をいう。」と定義されます。

出典:http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000128216.html

【主なポイント】
1 脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況
・請求件数は795 件で、前年度比32 件の増加。
・支給決定件数は251件で前年度比26件の減少、うち死亡件数も前年度比25 件減の96件。
・ 1か月平均の時間外労働時間数別支給決定件数は「80時間以上~100時間未満」105件で最も多く、「100時間以上」の合計件数は120件であった。

2  精神障害に関する事案の労災補償状況
・請求件数は 1,515 件で、前年度比59 件の増加。うち未遂を含む自殺件数は前年度比14件減の199件。
・ 支給決定件数は 472 件で前年度比25 件の減少。うち未遂を含む自殺の件数も前年度比6件減の93件。
・1か月平均の時間外労働時間数別支給決定件数は、「20時間未満」86件で最も多く、「80時間以上~100時間未満」20件、「100時間以上」の合計件数は172件であった。
・ 出来事別の支給決定件数は、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」75件、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」60 件 の順に多い。


いかがでしょうか?近年急激に増加していた「精神障害に関する労災認定件数」が減少に転じたことは喜ばしい傾向であり、、多くの会社で行われている労災防止対策の成果かもしれません。一方で労災申請件数の増加傾向は持続しており、今後も労災防止に向けたさらなる対策が求められます。

これらの労災を防ぐ上で最も重要なことは労働時間の適正管理です。長時間労働との関係を見ると、脳心臓疾患では労災認定された251件のうち225件で、精神疾患でも認定件数の半数近くで月80時間以上の長時間労働を認めています。残業時間をしっかり把握して長時間残業を未然に防ぐ(一次予防)とともに、日々の体調確認や産業医面接を通じた二次予防にも力を入れましょう。

また精神疾患に伴う労災事例では「いじめや嫌がらせ(ハラスメント)」が原因となりやすいことも注目すべきポイントです。「パワハラ」を「熱心な指導」と取り違え、加害者がそれを自覚していないまま問題が大きくなることが珍しくありません。管理職研修などを通じて、ハラスメントを絶対に許さない職場環境を作っていくことも大切です。

他にも健康診断やストレスチェックの受診率向上、二次健診・保健指導の勧奨など、会社がやるべき衛生管理は少なくありません。労災事案が発生しないよう継続的な取り組みを進めてください。

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