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東京銀座の産業医事務所 セントラルメディカルサポート

Column記事

2016.12.01

ストレスチェック1年目の雑感

11月末でストレスチェック実施の初年度締め切りを迎えました。皆さんの会社は無事実施できたでしょうか?弊社顧問先では一部高ストレス者面接が残っているものの、ほぼ問題なく乗り切ることができました。30社以上でストレスチェックに関わって気が付いたことをいくつか挙げたいと思います。

1.高ストレス者の割合について

実施前から想定された通り、労働時間が長い会社やストレスのかかりやすい職種(SE、コールセンターなど)ほど高ストレス者の割合が多い傾向がありました。また大企業かつ古くから存続している会社の方がストレス度が全体的に低く、雇用の安定性が心理ストレスに大きく影響していることが見て取れました。
一方で想定外のこととして、独自質問紙を用いた一部のストレスチェック委託先で異常に高ストレス判定が多くなるケースを散見しました。

2.高ストレス者の属性について

男女や部署別の比較では一般的な傾向は見受けられませんでしたが、比較的若い20〜30代の社員の方が高ストレス者が多い傾向がありました。これは若い人にストレスがかかりやすいというだけではなく、中高年者は正直に自分のストレス度を記載することに抵抗を持つ人が多いことも影響しているかもしれません。
また興味深い傾向として「労働時間が極端に長い社員」よりも「中程度の残業が持続している社員」の方がストレス度が高い印象を受けました。長時間労働を厭わないモーレツ社員に引きずられる形で残業が多くなってしまった社員が一番ストレスをためやすい、ということかもしれません。

3.高ストレス者面接について

どの会社でも面接希望者が非常に少ないことが意外でした。高ストレス者判定を受けた社員のうち1-2割程度が面接を希望するのではないかと想定していましたが、実際は1割に満たない会社がほとんどでした。本当に面接が不要なら問題ないのですが「申出をしない理由」を確認するすべがなく、やや不安の残る結果でした。また面接に至った社員については既に会社が体調不良を認識しているケースが多く、一次予防(未然防止)というストレスチェックの目的達成にはまだまだ工夫が必要と感じました。

皆さんの会社ではどんな傾向がありましたか?集団分析結果を衛生委員会で検討するなどして、多くのコストや時間をかけて実施したストレスチェックを職場改善に生かす工夫を是非考えてみてください。

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