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東京銀座の産業医事務所 セントラルメディカルサポート

Column記事

2014.12.15

健康診断を受診しましょう!

会社には常時雇用する従業員に対し、健康診断(健診)を年1回以上実施することが義務づけられています。また、従業員に対しても健診受診は義務とされています。
「今自分はどこも悪いところはないのに、なんで健診を受けなくてはいけないの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。しかし、病気の中には不調を感じにくいものが少なくありません。特に高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、自覚症状がほとんど半面、放っておくと突然心筋梗塞や脳卒中を突然起こしてしまうため、気づいてからでは手遅れになる場合があります。そこで、このような病気の早期発見を目的として定期的な健診が義務づけられているわけです。


1.健診の種類

会社の定期健診には、大きく分けて一般健診と特殊健診があり、一般社員が定期的に受ける健診は一般健診の一つである「定期健診」です。特殊健診は、化学物質や放射線など有害な業務に常に従事する労働者を対象に行われる健診です。


2.主な健診項目について

健診で求められる項目や検査は職種や年齢によって多少異なりますが、生活習慣病やがんなどの「比較的罹りやすく、放っておくとリスクが高い」疾患の早期発見を目的としつつ、なるべく経済的負担を抑えるように組まれています。主な健診項目を以下で確認してみましょう。

2-1.血圧

高血圧は最も頻度の高い生活習慣病であり、放置しておくと動脈硬化をきたし、心筋梗塞や脳卒中、心不全、腎不全などの原因になります。一般的には140/90mmHg以上の場合に高血圧と診断されますが、血圧は測定のタイミングで大きく変動するので、高めだった人は自宅でも測定してみることをお勧めします。日本人は塩分摂取の影響を受けやすいことが知られており、血圧の改善には減塩とダイエットが大切です。

2-2.脂質

血液中の中性脂肪やコレステロールの濃度のことで、体重が増えたり閉経(女性の場合)すると上昇しやすくなります。中性脂肪や悪玉コレステロール(LDL)が高すぎると、高血圧と同様に動脈硬化の原因になります。一方で善玉コレステロール(HDL)には動脈硬化を予防する働きがあると考えられています。

2-3.血糖

血液中の糖(グルコース)の濃度のことで、これが高くなる病気がいわゆる糖尿病です。糖尿病は生活習慣病の中でも合併症の頻度が高く、長期間放置すると腎臓が悪くなって透析になったり、網膜症で失明する可能性があります。血糖は食事のタイミングで誤差が大きいため、変動の少ないHbA1cという指標がよく用いられます。

2-4.肝機能検査(AST, ALT, γGTP)

肝臓の機能に関係する数値で、ASTやALTが高い場合には脂肪肝やウィルス性肝炎、アルコール性肝炎などが疑われます。値が高くても自覚症状はほとんどありませんが、長期間放置しておくと肝硬変や肝臓がんになって死に至る場合もあります。異常値が指摘された場合は一度医療機関で詳しく調べてみましょう。
γGTPも肝臓の機能に関係する数値ですが、アルコールを摂取すると高くなりやすいことが知られており、飲酒による肝臓への負担の指標となります。アルコールをよく飲む人でγGTPが高い場合は、肝臓に強い負担がかかっているので飲酒量を減らす必要があります。

2-5.その他の検査

胸部レントゲン:肺がんや結核などの肺疾患を調べるための検査です。被爆量は多くありませんが、早期肺がんの検出力は高くありません。
心電図:不整脈や虚血性心疾患(心筋梗塞など)を調べるための検査です。
尿蛋白、尿潜血: 腎臓の病気や尿路結石、膀胱腫瘍などを調べるための検査です。女性の場合は生理中に検査すると異常値が出ることがあります。


3.おわりに

健診は受診するだけでは不十分です。結果を確認した上で、ご自身の健康管理に活用してください。
なお、定期健診は主に生活習慣病のチェックが中心であり、全ての病気を網羅的に調べるものではありません。何か心配な症状があったり、癌などの早期発見を目的にする場合は、医療機関への受診や人間ドック等で詳しい検査を受けてみましょう!

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