新聞などで大々的に報道されたのでご存知の方も多いと思いますが、先月日本人間ドック学会が健康診断の新基準値案を発表しました。
この基準値案は、例えば収縮期血圧の正常上限を147mmHg以下(専門学会のガイドラインにおける正常血圧の上限は140mmHg未満)とするなど、これまで一般的に用いられてきた基準値を大幅に緩和したものになります。
新基準値案の発表後、健康診断後の面接指導をした従業員の方から「新しい基準と古い基準のどちらを信じればいいのか?」という質問をよく受けるようになりましたが、私は「今までの基準に従って健康管理をお願いします」とお答えするようにしています。
なぜなら、人間ドック学会が提案した基準値は、「健診を受けた時点で健康と考えられるデータの分布範囲」を示したものであり、「脳梗塞や心筋梗塞などの将来的な発症リスクの安全基準に言及したものではない」からです。
つまり、例えば血圧が人間ドック学会の新基準値以下の数値であっても、将来的な心血管障害のリスクは十分に低くならない可能性がある、ということです。
もし健診結果について気になる点があれば、ぜひ会社の産業医や保健師に相談してみて下さい。
2014年6月8日追記:
人間ドック学会から、基準範囲に関する説明用のパンフレットが公表されました。
以下の資料もご参照ください。
http://www.ningen-dock.jp/wp/wp-content/uploads/2013/09/0613-poster-kijunhanni.pdf
Column記事
2014.05.18
健康診断の基準値について
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