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心療内科産業医と取り組むストレスチェック集団分析
職場改善への活用手順と実践例

心療内科産業医と取り組む
ストレスチェック集団分析
〜職場改善への活用手順と実践例

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本書について

ストレスチェック制度がスタートして数年経ち、多くの会社では毎年スムーズに実施されていると思います。一方で、制度目的の一つである「集団分析を用いた職場改善活動」は十分にできているでしょうか?筆者は心療内科産業医として約40社のストレスチェックに関わってきましたが、個人情報保護を重視する制度の特性や、企業内のリソース不足から、集団分析で得られた貴重な情報を、職場改善に有効活用できない企業を多数見てきました。

しかし、「ストレスチェックを実施するだけでは従業員のストレス度の改善や職場の生産性向上は得られず、集団分析結果に基づいた職場改善活動が必須である」という研究結果が既に出ており、これは皆さんの肌感覚とも一致するものでしょう。国もこの問題を把握しており、2018年2月に公表された第13次労働災害防止計画では、集団分析を実施・活用する事業場の割合を全事業場の60%以上とする数値目標が設定されています。

では、具体的にはどのように取り組めばよいのでしょうか?厚生労働省のモデル事例集や専門書を読むと、「産業医や保健師などを中心に職場でワーキンググループを作る」「各部署に担当者を置いてPDCAサイクルを回す」など様々な取り組みが紹介されています。しかし、このような手厚い対応をできる企業がどれだけあるでしょうか?多くの企業では担当者も含めて「誰一人集団分析を正確に理解し、活用できる人がいない」といった状況が珍しくありません。そんな状況で、「うちの会社でも職場改善活動を始めるように」「働き方改革に集団分析を活用しよう」と経営者から言われ、途方に暮れている労務担当者は少なからずいるのではないでしょうか?

本書は、十分な専門家のサポートリソースのない企業であっても、労務担当者が集団分析結果を確認して職場改善に取り組むために必要な知識を身につけることを目的としています。まずストレスチェック制度の概要について解説した後、集団分析の読み方や解釈について勉強します。そして最後に、専門家に頼まなくても実施可能な、集団分析を用いた職場改善への具体的な取り組み施策について、ケーススタディを交えてわかりやすく説明します。本書の内容が、ストレスチェックの活用に悩む労務担当者の一助になれば幸いです。
(序文より一部抜粋)


心療内科産業医と向き合う職場のメンタルヘルス不調
~事例で解説会社と社員が最適解を導く方法

心療内科産業医と向き合う
職場のメンタルヘルス不調
~事例で解説会社と社員が最適解を導く方法

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本書について

近年、多くの会社で「メンタルヘルス対策」が経営上の重要なトピックスになっています。皆さんも、長時間残業やパワーハラスメントを理由にうつ病を発症したとして会社が従業員から訴えられたり、就業中に自殺者が出た会社がいわゆる「ブラック企業」として報道されたり、三六協定違反で取締役などの経営層が書類送検された事件を目にしたことがあると思います。現代社会のなかで会社が健全に発展していくためには、メンタルヘルス対策をはじめとする適切な労務管理は避けて通れない経営課題なのです。

一方で人事労務分野においては、メンタルヘルス不調者の対応は難しい、と敬遠されがちです。しかし複雑かつ困難に見えるメンタルヘルス不調者の対応も、細かい病状にとらわれすぎず、労務的な視点で俯瞰して考えることで、多くの場合は一定の解決を見つけることができます。病気そのものではなく就労環境をどのように取り扱うか考えること、つまり「〇〇病だから何か配慮しなくてはいけない」ではなく「仕事を続ける上で××に困難が生じているので、どう解決するか一緒に考える」という視点が大切なのです。

本書は3章構成となっており、第1章では職場のメンタルヘルスに関する基礎知識、第2章では具体的なメンタルヘルス対策について解説します。第3章は本書のメインとなるケーススタディであり、メンタルヘルスに関連した多様かつ複雑な問題を抱え、産業医や人事労務担当者が対応に苦慮するであろう具体的な事例を20例紹介しています。各事例には医学的、労務的、法律的な観点から詳しい解説をつけましたが、できれば最初から解説を見るのではなく「事例の問題点はどこか」「どのように解決すればいいのか」といった点を考えながら読み進めてください。

労務問題は、しばしば従業員と会社との対立の構図で語られることが多いですが、全ての従業員が健康かつ意欲的に働き、その結果として会社が発展する状況が最善である、という点については誰もが異論ないはずです。本書が適正な労務管理と健全な職場作りのための一助になれば幸いです。
(前書きより一部抜粋)

目次

はじめに

●第1章 メンタルヘルスの基礎知識●

◆メンタルヘルス不調とは
◆ストレスとメンタルヘルス不調の関係
・主なストレス要因
・ストレス負荷によるメンタルヘルス不調の発症
◆メンタルヘルス問題の現状
・メンタルヘルス不調者数の増加
・働き盛り世代の自殺問題
◆メンタルヘルス問題と会社のリスク
・法的リスク 労災認定リスク/民事賠償リスク/刑事責任リスク
・経営リスクとしてのメンタルヘルス問題
◆メンタルヘルス不調の診断
・メンタルヘルス不調の診断基準
・具体的な診断方法
・診断基準の落とし穴
◎コラム1 診断書の読み方
◆メンタルヘルス不調の治療法
・薬物療法 抗うつ薬/抗不安薬/睡眠薬/そのほかの薬(気分調整薬・抗精神病薬)
・心理療法
◎コラム2 前向きな考え方を身に付ける~認知行動療法~
◆職場でよく見かける精神疾患を知る
・うつ病・適応障害
・現代型(新型・非定型)うつ病
・双極性障害(躁うつ病)
・統合失調症
・パニック障害
・アルコール依存症
・発達障害(自閉症スペクトラム)
・パーソナリティ障害(境界性パーソナリティ障害)
・心身症(機能性胃腸障害、過敏性腸症候群)
◎コラム3 うつ病は「生活環境病」?
●第2章 職場のメンタルヘルスケア●

◆4つのケアと3つの予防
・4つのケア 従業員自身によるセルフケア/会社の安全配慮義務としてのケア(ラインケア、産業保健スタッフ等によるケア)/事業場外資源によるケア
・3つの予防  一次予防/二次予防/三次予防
・職場の特徴を知る(人事労務担当者向け)
◆セルフケア(主に従業員向け)
・セルフケアの一次予防 長時間労働を避ける/睡眠の質を改善する/適切なストレス対処を工夫する/周りの人に積極的に相談する
◎コラム4 ストレスチェック制度の概要
・セルフケアの二次予防 早期発見のポイント/早期対応のポイント
・セルフケアの三次予防  休職中の注意点/復職後の注意点
◎コラム5 ストレスチェックの集団分析を活用しよう
◆ラインケア(主に管理職向け)
・ラインケアの一次予防 仕事量のコントロール(長時間労働対策)/仕事の質(裁量度)の改善/社会的承認感を高める
◎コラム6 ハラスメント問題を考える
◎コラム7 長時間労働と法的リスク
・ラインケアの二次予防  早期発見のためのチェックリスト/声かけの際の注意点
◎コラム8 自殺予防対策とゲートキーパー
・ラインケアの三次予防  休職期間中の対応/復職の判断(人事労務担当者向け)/復職支援プログラム~「試し出社」と「軽減勤務」~(人事労務担当者向け)/リワークプログラム(人事労務担当者向け)/再発予防のための復職後サポート
◎コラム9 従業員へのグリーフケア
●第3章 ケーススタディ ~対応困難事例に取り組む~●
ケーススタディに取り組むにあたって

・ケース1 現代型うつ病が疑われるAさんの事例
・ケース2 長期休職後の復職で病状が再燃したBさんの事例
・ケース3 極端に気分の波が大きいCさんの事例
・ケース4 妄想症状を訴えるDさんの事例
・ケース5 パニック障害により通勤が困難なEさんの事例
・ケース6 アルコール依存症が疑われるFさんの事例
・ケース7 脳卒中後遺症が問題となったGさんの事例
・ケース8 様々な身体症状で欠勤を繰り返すHさんの事例
・ケース9 体臭による職場トラブルを認めるIさんの事例
・ケース10 管理職に適性がなかったJさんの事例
・ケース11 休職期間中に副業を希望したKさんの事例
・ケース12 パワハラ被害を訴える高ストレス者Lさんの事例
・ケース13 若年性認知症が疑われるMさんの事例
・ケース14 触法行為をしてしまったNさんの事例
・ケース15 復職支援のための異動を拒否するOさんの事例
・ケース16 復職後の役職が問題となったPさんの事例
・ケース17 復職時期が問題となった非正規社員Qさんの事例
・ケース18 育児とメンタルヘルス不調が重なったRさんの事例
・ケース19 障害者雇用枠で就労しているSさんの事例
・ケース20 在宅勤務を希望するTさんの事例
おわりに