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  • ストレスチェック 義務化
  • 2016.09.20

高ストレス者面接後の「就業上の配慮」について

2016年9月18日の日本経済新聞で「今年7月までのストレスチェック実施率は中小企業で2割、大企業で5割程度」と報道されていました。法律で義務化された割に低い数字ですが、実際には多くの会社が8月から11月に駆け込み実施を目指しているようです。

これからストレスチェックを実施する会社の担当者から受ける質問のひとつに「高ストレス者に対してどこまで就業上の配慮をしなくてはならないのか?」という問題があります。特に会社のことをよく知らない産業医以外の医師が面接を担当する際に問題となりやすいのですが、例えば以下のような場面ではどうすればいいでしょうか?

・「高ストレス者を異動させるべき」との意見書が出たが、すぐに対応できない
・残業禁止の指示が出たが、忙しい職場であり対応が難しい

具体的な就業措置の内容や方法については法律上の規定がなく、長時間労働者やメンタル不調者への対応と同様に「継続できる範囲で可能な限り配慮する」というのが原則になります。

「残業を禁止する」「異動させる」などの対応がすぐに可能なら全く問題ありません。しかし本人にとってはメリットのある就業措置であっても、それが周囲の従業員に過度な負担を強いるものであれば長続きしませんし、周囲との関係が悪くなって結局高ストレス者が不利益を被ることになりかねません。

就業措置の最終決定権限は会社にありますから、対応が難しい場合には必ずしも面接担当医の意見に全面的に従う必要はありません。しかし、就業上の問題点を確認して面接担当医に伝える等の方法で、妥当な(対応可能な)就業措置の内容を関係者全員ですり合わせるのが望ましいと思います。

また「高ストレス者であることは上司に伝えたくないが、就業上の配慮をしてほしい」と言う相談者も時々目にします。ハラスメントなどがあればそれも仕方ありませんが、必要な情報を隠したまま就業措置を行うことがトラブルの原因になることが珍しくありません。ストレスチェック制度に不利益取扱い禁止の規定が入っていることを説明して本人の同意を得た上で、管理職などに必要な情報を共有するよう心がけてください。

なおストレスチェック制度では「高ストレス者に不利益となるような極端な配慮」も禁止されています。例えば産業医が「異動させるのが望ましい」と判断した場合にも、「本人の意見を考慮せずに北海道から沖縄に異動させる」といった対応は許容されません。そこまで極端なケースはまずないと思いますが、不要なトラブルを避けるためにも高ストレス者本人の意見も確認しながら対応を検討するようにしてください。

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