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  • 2017.02.03

(記事紹介)残業規制変更の議論について

2017年2月2日 日本経済新聞「残業「月60時間」へ着手」

政府は1日、首相官邸で「働き方改革実現会議」を開き、長時間労働是正に向けた議論を始めた。残業上限を月平均60時間、年間計720時間までとする政府案に沿って意見集約を急ぐ。対象は原則、全業種。安倍晋三首相は会議で「長時間労働は構造的な問題で、企業文化や取引慣行を見直すことも必要だ」と指摘した。政府は年内に労働基準法改正案を国会に提出し、早ければ2019年度の施行を目指す。


長時間労働による健康被害を防ぐとともにワークライフバランス向上や女性の社会進出サポートなどを目的に、労働法制の大きな見直しが検討されています。様々な意見があったようですが、現時点では以下のような内容で大まかな方向性が見えてきました。

・三六協定の上限を制限し、残業上限は1ヶ月平均で60時間以内、年間720時間以内とする
・繁忙期は1ヶ月のみ残業100時間、その翌月と合わせて月平均80時間まで可能とする
・みなし労働にも上限を置く
・対象は原則全業種

現行の三六協定は特別条項次第で青天井に残業を延ばせる仕組みになっており、労働者の健康を守る上では明らかに不備がありました。よって産業医の立場としては今回の法改正は歓迎すべきものだと評価しています。一方、現在の政府案には以下のような疑問点もあり、さらなる議論が必要と思われます。

・労災認定基準である「残業100時間」を繁忙期の上限として許容することが妥当か否か
・「月平均60時間」という数字を置く医学的根拠が薄弱なのではないか
 (60時間の残業で心身の異常が増えるという明確な証拠は少ない)
・業種や働き方の違いを考慮しない一律な規制の妥当か否か
 (引越業や運送業、建築業など繁閑の差が非常に大きい業種もある)

これからも紆余曲折はありそうですが、いずれにせよ2−3年以内には残業規制が非常に厳しくなることが予想されます。今のうちから従業員の残業時間を正確に把握し、三六協定の内容に関わらず長時間労働を減らしていく取り組みが求められます。

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