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  • 2018.03.03

(記事紹介)位置情報と長時間労働

2018年2月15日 日本経済新聞「スマホ位置情報で労災申請 死亡店長の在店時間算出」

大手居酒屋チェーンの福岡市の店舗で昨年6月、男性店長(当時53)が死亡したのは長時間労働が原因として、スマートフォンの位置情報の記録を基に遺族が労災申請したことが15日までに分かった。代理人弁護士は位置情報で店にいた時間を算出したとし「客観性のある証拠で、過労問題に立たされている人にとって自衛策となる」と話している。運営会社は「申請手続きや労働基準監督署の調査には協力する」とした上で「会社が把握する時間外労働時間は労災認定基準に達しておらず、位置情報による在店時間には非労働時間が含まれている」としている。


労災申請において、申請事由の有無は原則として従業員側が証明する必要があります。タイムカードやパソコンのログなどを用いた客観的な残業時間管理ができていない会社では、正確な残業時間を記録するのが難しく、労災申請のハードルになっていることが以前から指摘されていました(いわゆるブラック企業ほど労災が認められにくい、という矛盾した状況です)。これに対し、スマホによる位置情報により店舗にいた時間を確認して労務時間の算出に活用しよう、というのが本件のポイントです。

会社側が指摘するように、店舗にいた時間の全てが労務時間とは限りません。しかし「店舗にいたが仕事をしていなかった」という事実を会社側が証明するのは難しく、(労基署の判断はこれからですが)労働者側に有利な判断がなされる可能性は高いように思えます。

最近は「労働者が残業時間を自己管理するためのスマホアプリ」といったものも開発されているようです。いずれにせよ、会社が適切な労働時間管理を行なっているなら、位置情報による労働時間の推計はそもそも不要なはずです。本ケースを他山の石とし、従業員の労働時間管理体制を今一度確認してみてください。

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