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  • 2015.01.05

(記事紹介)ホワイトカラー・エグゼンプションとメンタルヘルス

2014年12月24日 日本経済新聞「健康確保策義務付けで合意 労働時間規制の除外で分科会」

厚生労働省は24日、労働政策審議会の分科会を開いた。時間ではなく成果に対して賃金を払うホワイトカラー・エグゼンプション(労働時間規制の除外)の適用条件を議論。労働者に一定の休日を取らせるといった健康維持策の義務付けで労使代表が大筋で合意した。時間にとらわれない働き方で生産性を高める一方、働き過ぎで健康を損なわないようにする。
企業は新制度の対象とする労働者に対して、労働時間や在社時間を把握する義務を負う。残業代や深夜手当を払う必要はないが、長時間労働が疑われるときは産業医の面接を受けさせる。加えて、(1)一定日数の休日取得、(2)労働時間の上限、(3)終業から翌日の始業までの勤務間に一定時間の休息確保――といった措置のいずれかを企業に義務付ける方向だ。


ホワイトカラー・エグゼンプションとメンタルヘルスの問題については以前のコラム(「労働時間規制について」2014年6月17日)にも載せましたが、厚生労働省の分科会で議論されている制度設計の詳細が明らかになってきました。
ポイントをまとめると以下のようになるかと思います。

①労働時間規制から除外されても、健康管理のため残業時間の把握は必要。
②長時間労働が疑われる際には産業医面接を受けさせなくてはならない。
③総労働時間制限や休日取得など、何らかの形で休息時間を確保するよう義務づける。

①については、長時間労働が健康に悪影響を与える可能性がある以上、当然の規制だと思われます。
ホワイトカラー・エグゼンプションの対象者であっても、長時間労働によって脳血管障害やメンタル不調が発生すれば労災になりうると予想されることも考慮すると、企業にとって残業管理の必要性はこれまでと変わらないと考えるべきです。

②については、現時点では詳細は詰められていないようです。現行と同じく本人の申告がなければ努力義務に留まるのか、法的義務になるのか、議論の推移を見守る必要があります。

③については、①と同様に適切な規制と思われます。長時間労働による心のエネルギーの消費はメンタル不調につながりますが、適度に休息を取ることで心のエネルギーが回復すれば、体調悪化を食い止めることができます。リラックスできる時間を増やすことは、自律神経機能の改善(高血圧の改善など)を通じて脳血管障害のリスク軽減にもつながると考えられます。


昨年の選挙で自民党が圧勝したことで、労働時間規制の議論が更に進むことが予想されます。企業と労働者双方にとって望ましい制度になるか、今後も国会での活発な議論を期待したいです。

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