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東京銀座の産業医事務所 セントラルメディカルサポート

Column記事

2016.03.23

(記事紹介)出向者と過労死〜出向元の責任〜

2016年3月7日 読売新聞「過労で自殺、認める判決」

IT関連会社から子会社の食品会社に出向中の長男(当時31歳)が自殺したのは過重労働が原因だとして、両親が両社や両社で社長を兼ねる男性に約1億円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は16日、自殺との因果関係を認め、計約6000万円の支払いを命じる判決を言い渡した。伊藤由紀子裁判官は、出向元の責任について「出向者が健康を損なわないよう注意する義務があるのに怠った」と述べた。弁護団によると、出向元の賠償責任を認めた判決は初めてという。


職場の安全衛生を考える上で、出向者に対する健康管理について出向元と出向先のいずれが責任を負うか…という点が問題となることがあります。出向者は出向元と出向先の双方との間に労働契約関係が成立している「二重の労働契約関係」にある一方、労働者派遣法などの特別な適用法令がないため、法律論では結論が出ないからです。
この点、一般論としては実際に勤務している出向先に一義的な安全管理責任が発生すると考えるのが通常です。例えば健康診断の実施及び費用負担については、在籍型出向では出向元と出向先で話し合い、移籍型では出向先で健康診断とその管理を実施するのが適切とされています。また労災についても、通常は出向先の労災保険の適用を受けることになります。
しかし、このような運用は「出向元には安全管理責任が発生しない」ことを意味するものではありません。出向元とも労働契約関係が残存している以上、安全配慮義務に違反する行為があれば出向元も連帯して責任を負う可能性があります。本件は出向元と出向先の社長が兼任しているレアケースのようですが、出向者を送り出している/受け入れている会社の方は自社の労務管理に問題がないかこれを機に見直してみてください。

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